デビュー作で狂っている、と言われたPのひとり。実は静止画の使い手で、やたら横文字が多い選曲のみならず、独特の異空間を作り上げることに定評がある。そのどれもが「ん？？」とクエスチョンマークが２個つく感じ、といって「なるほど」とうなずいたあなたはおそらくくるるPマニアだ。
　もうね、これは動画を見てもらった方が理解が早い。カッコイイの中にある種の気持ち悪さのようなものがあたかも計算されたかのように練り込まれていて、それを引っこ抜いてカッコイイに特化することはできないんだろうな、と感覚的にわかると思う。昔、何かの音楽番組（たぶんイカ天だと思う）で、ロックの本質は『気持ち悪さ』だと聞いたことがある。つまりそういうことなのだろう。
　ただ、まだくるるPを知らない人は期待していてよろしい。とにかく独創的な映像の中に、あなたは間違いなく引っかかりを感じるはずだ。それがただ１本の動画であれば引っかかるだけで終わってしまうかもしれないが、VRFという舞台では30分もこの世界に漬け込まれることになる。引っかかりが快感に変わっていくには十分な時間である。あえて予備知識ゼロで体感するのも面白いかも。【cha73】