ハニハニPは雪歩のPですが。ステージ上の萩原雪歩とは何者なのかという問に対する答を氏の動画から探そうと試みて…私には、わからないという結論に至りました。雪歩のコミュで認識できる、いつも怯えているような小動物のような少女は、あのステージ上の、どこにもいないのかもしれない。ならばここにいるアイドルは何者なのだろう。そういう結論をもって、氏の他の動画を見てみたら、これまでよりもすんなりと見ることができました。彼女達もまた、氏にプロデュースされた結果、私の知らない何者かとしてそこにいるのだと。
　氏は前の名義から数えると結構なベテランPですが、当時のニコマスにおいては早過ぎる存在だったというか、氏の作風をある程度系統立てて考えることが可能になったのは2011年以降、すなわちアイマス2素材になってからだという気がします。無印の頃からの細やかな質感と、補色を同時に使いこなすような立体的な色彩感覚は、2011年における多彩な照明効果を特徴とする幾つかのPVの先駆であったと思います。
　動画の構成としては、印象派的な動画と、様々な暗喩を含むストーリー的な動画の両方をこなされる方ですが、VRFにおいてはどのような内容で臨まれるのか。またREMIX音源をPV化するなど、選曲にも特徴のある方ですので、1枠30分にDJ的な視点を持ち込まれた場合には、興味深い結果が見られるのではないか、と期待しています。【zeit】