×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

review01
金のP
金のP[2010年5月デビュー]
Introduction
mylist¥リスト

 「好きなモノは全部中毒にしなくちゃ意味がない
 彼女の心は 言葉は キスは セックスは
 しかし全部全部 ノイズだった
 駐車場のヨハネは微笑んで
 さあ 歌を歌ってごらん」

 金のPはデビュー作であるスパンクハッピーのMADで(主に私の)ど肝を抜いたのですが。明示はされてませんが、その動画にあるのは「天国」という言葉を媒介にした神と人との接近と、その果ての哀しみのゆくえ、というものだと思います。歌の主人公は、好きなモノ全てを徹底的に消費しようと試みるけれども、その行き先はノイズであり、後には何も残らない。そのような「人」の志向する「天国」の終わりに対して、「駐車場のヨハネ」たる神の代理人は、答として「歌」を用意する。一方で、春香と真の公式曲である「YES♪」がモチーフとして登場し、ここでも神を信じてはいない真の疑問に対して、神様はさりげなく返答を用意する。元は無関係な2曲が、春香と真を通してシンクロするのがその動画でした。

 次作にあたる「ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺」はバブルの時代を代表するデザイナーであるジャンニの死をテーマにした曲のMAD化で、このジャンニという存在も「人」でありながら「天国」に近づこうとした結果死ぬことになり、バブルという天国も失われることになった、と理解してよいのでしょう。スパンクハッピーというユニットはそんな風に、人が人であるがゆえに刹那的に天国を求め、やがてイカロスのように失墜していく様を80年代の神話として描き出します。

 金のPのMADの特質は、スパンクハッピーという特殊なアーティストによってもたらされるもの、その時点では私はそう考えていましたが、第1回のVRFにおける新作でも、神は登場します。

 氏の神はバブルの80年代にいるのではなくて、私達が精一杯祭を楽しもうとしている時代の終わりこそ、現れるのかも知れない。ニコマスはMADPVという背徳的な趣味として07年から隆盛を続けましたが、2010年の9月には大きな崩壊を迎える。その時、氏にはPたちを見守る神の姿が見えていたのかも知れません。MONGOL800の「神様」という曲を使ったMADは、VRF初日の印象を決定付けたのみならず、2010年の末において逡巡している人たちに対して少なからぬ影響を与えたと信じております。

 アイマス2素材では亜美真美誕生祭動画がありますが、これが2で成長して大人の色気を見せる亜美真美という、簡単そうで実に難しい表現に成功しているもので。VRF本番にはアイドル達の更なる大人の魅力が炸裂するのかと思ったり。人の背徳と、神との対峙。そんな構造を持つ氏の動画は2011年においては、神様よりも警察の目に留まる方が先かも知れません。ここぞという時のためにダッシュ力を身につけて臨んでいただければと願っております。【zeit】