Introduction
mylist:作ったもの
やはり「AMAMI HARUKA FAN CLUB」の衝撃から語り始めなくてはならないでしょう。茫洋とした実写背景、そこに溶け込む春香のこれもあいまいな佇まい。ダンスシーンを後景に配し、あくまで春香のスナップショットを中心とした動画構成。当時から異彩を放っていたその輝きは、この4年弱もの間ずっと衰えを知りません。アイドルは前に出てくることなく風景と一体化し、それゆえにこそ実在が強調される。華やかさのみが際立つステージ中心のアイマスMADの世界にあって、彼女たちには”日常”があり、そのことが逆説的にリアリティを与えていました。
以来、春香を初めとしたアイドルたちはずっとOGOPの動画の中に存在し続けています。たとえば「ワールズエンド・スーパーノヴァ」で二の腕にかかった春香の髪がこぼれ落ちる刹那、あるいは「ばらの花」に捧げられた一輪の花の彼方に広がる海岸の果て、「鉄風鋭くなって」の絢爛な装束さえ溶けていく黄昏、「Baby I Love You」の手描きとゲーム映像が複雑に錯綜する狭間、「日常に生きる少女」のメタ表現においてさえ、春香はその現実性を失うことはありません。
触れられない世界を構築するそれは、幻視とも妄想とも呼べるでしょう。ですが、ある瞬間にはそれが拡張現実として私たちの周りに広がっているかのように思わせる、それこそがOGOPの動画の持つ詩的な、あるいは今となっては予言的とさえ言える迫力です。
さて、昨年に続いて2度目の登場となるOGOP。そのステージが春香たちのいる空間と地続きである限り、私たちは何も心配することはありません。アイドルたちは今も着々と準備を調えていて、祝祭のひとときには、Pが彼女たちとこちらとを、確固と繋いでくれることでしょう。【ガラクタ】
|