僕がある程度ニコマスという世界のことを理解し始めたのは15歳のときだったのだが、当時はどことなく、ニコマスは大人の遊び場であるかのように感じていた。そんな中、14歳にしてニコマスPデビューした射座の日Pの存在を知ったときの衝撃は今でも鮮明に思い出すことができる。今となっては中学生のPが存在してもそれほど珍しくはないかもしれないが、ニコマス初期から現在まで4年以上もの間、活動し続けてきたは彼くらいではないだろうか。
　4年間の活動の中で確実に腕を上げていることは、一年半の沈黙の後に発表された「X-Y-Z」のセルフリメイクなどを見れば明らか。しかし一方で、彼らしい「青臭さ」は今でも健在だ。むしろ基礎能力が向上しただけに、その側面がより浮き彫りになってきたようにすら感じる。けれどそれは決して短所などではなく、「若いのにベテランPである」という境遇を持つ彼ならではの個性であり、そして大きな武器であるに違いない。ある程度成熟した人間では持ち得ない、彼だからこそ放つことのできる光に、僕は惹かれてやまないのだ。
　人生で最も多感な時期をニコマスPとして過ごしてきた彼が、VRFの舞台でどのようなパフォーマンスを披露してくれるのか。一ファンとしても、そして青春時代をニコマスと共に送ってきた同士としても、楽しみにせずにはいられない。【胡桃坂】